タイ人の必需品の嗅ぎ薬『ヤードム』は、常夏の国タイではメンソールの爽快感から暑さを忘れさせてくれる嗅ぎ薬だが、眠気ざましや花粉症の症状を和らげてくれる効果も期待できることを紹介する。
■ヤードム
タイに行ったことがある人ならば、街中でタイ人たちが筒状のものを鼻に差し込んだりしているのを見かけたことがあるだろう。
また、それはタイ土産の定番とされている物なので、買って帰ったことがある人も多いと思われる。
「ヤードム」と呼ばれる嗅ぎ薬で、発音は「ド」にアクセントを置く。
この単語は、タイ語で薬を意味する「ヤー」と、嗅ぐという意味の「ドム」が合わさったもの。
つまり「嗅ぎ薬」の意味だ。
サルちゃん(タイ人の妻)がタイ友からのお土産にもらったのが下記の写真で左の定番「POY-SIAN(ポイシアン)」製。
でも、いつも私がAmazonで買っていたのは右の「NOSEMINT」。
今まであまり疑問を持たなかったが、調べてみるとNoseMintは、どうもPOY-SIAN社が輸出用に製造しているものらしい。
その違いを、サルちゃんも知らなかったようだ。
■主な用途
2つを嗅ぎ比べてみると、POY-SIANの方がマイルドな香り。
NoseMintは、もっと刺激が強いメンソール臭を覚える。
ヤードムは主に、下記のような効果があるとされる。
・リフレッシュ
・頭痛対策
・鼻づまり時に
・虫刺されのかゆみ
・眠気覚まし
・乗り物酔い
・暑さ対策
ヤードムの主な成分は、POY-SIAN製のものは以下の通り。
メントール
ペパーミント
樟脳(ショウノウ)
ボルネオール(ボルネオショウノウ)
ユーカリ
オレンジピール
アニス
ベルガモット
クローブ
レモングラス
ターメリック
コショウ
このように、漢方薬やハーブとして用いられるものが多い。
【参考】
■頭痛や花粉症に
前述の効果のうちの「頭痛対策」は、今回サルちゃんから聞いたところによれば、下半分に入っている液体を用いるという。
これをハンカチに振りかけて、吸い込むことによって頭痛が和らぐそうだ。
タイ人と結婚して12年目で初めて知った。
ただし、本当に頭痛に効果があるかどうかは、まだ試していないが。
成分の一つであるメントールは、花粉症にも良いとされる。
そのため、ヤードムを嗅ぐことによって、鼻の粘膜に有効に作用して鼻づまりなどの花粉症の症状を温和することが期待される。
タイには花粉症はないので、その用途で使われることはないだろうが。
ヤードムが花粉症に良いとは言っても、あくまでも一時的に苦痛を軽減するものであり、根本的な完治への道はやはりビタミンDや釈迦の霊泉などがあるだろう。
■不眠には注意
ヤードムには、特に私のような「敏感体質」の人には注意すべき点がある。
私がヤードムを初めて使ったのは、12年前にサルちゃんと出遭う前で、2010年9月頃だった。
その頃、明け方に目が覚めて眠れなくことが多くなった。
普通ならば、すぐに前の晩に食べたものを思い出す。
たとえば、ニンニクなどは夜に眠れなくなることが多い。
その頃はニンニクなどは食べていなかったので、「もしかしてヤードム?」と考えた。
当時はSEだったが、早朝に目が覚めて眠れなくなる場合、ひとまず半休を取って、昼前まで二度寝するのだが、まったく眠くならない。
意識が朦朧としていて、頭をフル回転する仕事ができる状態ではなく、仕方なく全休を取ることもあった。
ヤードムに疑念を持つようになり、まず主要な成分であるメントールについて考えてみた。
これは、シソ科ハッカ属の植物であるミント(Mint)から抽出される成分だ。
アロマでよく利用されるが、一般的にも爽快味や冷涼感をもたらしたり、眠気覚ましの効果で様々な用途で使用される。
漢方薬では薄荷葉(はっかよう)として、清涼、解熱、発汗、健胃などの目的で用いられている。
このように、メントールにはカフェインと似たような覚醒作用があるのだ。
敏感な人の中には、夜に寝る前にメントール入り歯磨きで歯を磨くと、覚醒状態を作ってしまうので眠れなくなることがあるという。
恐らく私も、そういうことがあっただろう。
そして、やっぱりヤードムが真犯人だと断定した。
経験的には、メントールの覚醒効果はカフェインのそれと引けを取らないかもしれない。
このため、私のような敏感体質者は、特に夜間の使用にご注意を。
※下記のNoseMintの3本セットが、うちでAmazonで購入しているもの。
こちらは、最低1個から購入ができる。