相撲の力士は一般的にいえば「肥満」であり、健康リスクが非常に低く短命になりがちだが、このような競技が現代社会で果たして国技として相応しいのかということで疑問が生じる部分がある。
そこで、力士の健康状態や短命で終わる要因を探り、これから子供たちが相撲取りを目指すということが健全であるかどうかも考えてみたい。
◆現役力士は病気だらけ?
下記の高山赤十字病院の院長・清島満医師の記述によると、力士の疾患として多いのは高血圧、糖尿病、痛風などのいわゆる生活習慣病で、一般男性に比べ明らかに多いという。
第59代横綱だった隆の里(1952-2011)は、現役時代から糖尿病に悩まされていた。
インスリンを打ちながら綱を張ったが休場が多く、ほどなく引退を余儀なくされた。
未成年の取的時代から酒好きで、稽古を抜け出すなど、酒に溺れた食生活を行っていた。
晩年は現役時代より体重が30kg以上も増え、少々歩くと呼吸が荒くなることもあり、その後に心臓疾患があり、心臓発作時に服用する薬を常備していた。
また睡眠時無呼吸症候群も併発して喘息に苦しんでいた。
そして59歳で急逝した。
◆力士の大型化
清島医師は、現役力士が大型化していることも健康上の懸念点だという。
一例として、モンゴル出身の大関照ノ富士(1991-)が糖尿病と左膝負傷で一気に十両にまで陥落したのは典型的な大型化のマイナス面だという。
横浜市・小笹医院院長・小笹慶資医師は、『太く短く』と題した一文で、力士の怪我と休場の多さが目立つようになったと書いている。
そして、湿布薬やサポーターなど、張り物だらけの力士を見ていると白けてしまうという。
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今の力士は殆ど150キロ以上で、すぐ怪我をして、四つになると息が切れて長くは持たないのも、太り過ぎのためだという
さらに、たまに小兵の筋肉質の力士が活躍すると観客が沸き立つのは、それこそ格闘技の真髄だからであると書いている。
私はこの人生で相撲ファンであったことは殆どないが、唯一、好きだった力士がいる。
それは、舞の海(1968-)だ。
身長171cmの小ぶりながら、かつては「技のデパート」と呼ばれ、多彩な技を繰り出して大型力士を負かす姿に感動を覚え、時には涙を流した。
小笹医師が力士の寿命を調べたところ、力士生命が明治、大正、昭和と次第に下がっている外、亡くなる年齢の平均は約57才と短命だと知った。
つまり、力士は一般の男性より23年も早く命が尽きるという。
◆力士の平均寿命
東京・高橋クリニックの高橋知宏院長(泌尿器科)のブログによると、相撲力士の引退の平均年齢は31.6歳で、15歳から相撲を始めて15年間続けたとして、57歳(力士の平均寿命)で亡くなるとすれば、太って体力と力を付けて相撲を15年間すると、脳出血やガンで亡くなるのだろうという。
では長生きするにはどうすれば良いのかというと、「どうすればいいのか分かりません」としか書いていない。
医師もお手上げということか。
力士は引退すると痩せるのが普通のようだが、それでも短命に終わってしまうようだ。
◆「肥満」の指標
言うまでもなく、一般人も含めて肥満は短命に至る大きな要因の一つとなっている。
肥満かどうかの指標としてBMIがあるが、これはWHOが1997年に肥満判定基準だ。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
たとえば私の場合、こうなる。
BMI = 63 / 1.7 / 1.7 = 21.8
判断の基準として、日本肥満学会では、2000年に下記のように規定した。
18以下:低体重
22: 標準体重
25以上:肥満
私は、ほぼ「標準体重」となる。
1日1食(おかずだけ)の生活を長く続けているが、安心した。
だが、長生きするためには、より筋肉をつけるためにタンパク質など必要な栄養をもっと摂るべきだろう。
◆国技として相応しいか?
相撲は、果たして健康を害してまで、短命に終わってまで行うべきスポーツなのだろうか。
もちろん本人がそれでも良いと思っていれば良いのだろうが。
問題は、将来の力士を目指している子供や若者たちだ。
本人や両親の方々は、そのような知識を持ってまで子供に相撲の道を進ませようとしているのだろうか。
相撲は日本の伝統的な運動競技であるために、国技とされてきた。
だが、医学・科学が進歩した今、そのような根源的な問いが必要となるのではないかと思えてくるのだ。
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