※この記事は2004/09/05にexciteブログ(探求三昧ブログ)に投稿したものを加筆訂正したものです。
朝崎郁恵さん
NHK TVの『みんなのうた』を見ていたら、「ありがとサンキュー」という歌が出てきた。
歌っているのは、つぶれたような喉で、若くはなさそうな女性なのだが、聴いているうちに「これはただ者ではない」と思った。
コブシの付け方が、並の歌手ではない年輪を感じる。
このヴォーカルは沖縄かどこかの人なのかなと思って、歌の最後のクレジットを見ると「イクエ&カケロマンズ」とあり、たしかにそれらしいネーミングだ。
すぐにネットで検索してみると、元PSYSの松浦雅也と朝崎郁恵さんが作ったユニットのようだ。
こんどは「朝崎郁恵」で検索してみると、奄美の島唄の伝説的存在らしい。
やっぱり元(はじめ)ちとせと同じルーツだったわけだ。
この人は1935年奄美大島生まれで、2002年になんと67歳でメジャーデビューを果たしたという。
古謝美佐子さん
そういえば、つい数日前には、NHK TVで夏川りみと島唄の師匠の古謝美佐子さんが共演していた。
古謝さんの歌は魂がこもっているが、その人柄も素晴らしいものをもっている。
こちらは1954年生まれだから、私と同じ年代だ。
それにしては、驚くほど若々しい。
精神的に若いということもあるのだろう。
だが、カメラが古謝さんのことを一度もアップで撮らなかったので、この偉大な歌手に対して「なんと失礼な」と思ったものだった。
べつに夏川りみが嫌いなわけでは全然ない。
たんに声がきれいというだけではなく、やっぱり沖縄出身の女性に共通する何かをもっている。
本格的な島唄歌手からはコブシの効きとかの点で負けてしまうが、こちらは「日本のお母さん」という感じだ。
夏川りみさん
以前にTVで、夏川りみがある保育園だか幼稚園に行って、幼児たちの前で『童神』を無伴奏で歌った。
すると、それまで大騒ぎで夏川りみのことなんて見向きもしなかった子供たちが、シーンと静まり返って歌声に聴き入っていた。
こんな小さな子供たちにも、わかるんだなと、妙に納得した。
この人も、存在そのものが人を癒せるものを持っているのではないか。
前述の番組で歌っていた新曲『愛(かな)よ愛(かな)よ』もいい。
ちなみにこの曲は、THE BOOMの宮沢和史の作詞作曲だ。
それにしても、奄美や沖縄あたりの女性歌手は、どうしてあんなに高音が出せて、そして癒せられるのだろうか。
久々に三線が弾きたくなって、出してきて弾いた。
これを書き直している今(2021/06/13)は、ずっと前に三線を売ってしまった。
以前は「(民族)楽器フェチ」みたいな人間だったが、物書きや研究の仕事がメインとなってからは、そんなことをやっている時間は人生で無くなってしまった。
【参考CD】
【参考サイト】
◎朝崎郁恵
◎古謝美佐子
◎夏川りみ